スポンサーサイト

-------- | --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ウフィツィ美術展 黄金のルネッサンスに感じる欧州人の深き不信の影

2014-10-24 | 21:18

歌は世に連れと言いますけど、個人で書いているブログも書き手に連れ。
人は時と共に変わりますから、傾向も変わって当然なんでしょうが、始めた当初は多かった美術展ネタ、最近は随分減っています。
何故か?
はっきり言いますが、最近は日本にあまり良い絵が来てません。
より厳密に言えば超1流が来ていない。
美術展の前宣伝があれば期待するのですが、え、こんなモノなの?という展覧会が多い。
昔、というか震災前の展覧会は、今振り返ると凄かったですよ。

欧州人は礼儀を知ってますし、利口なので決して口にしませんが、はやり日本の安全に茫漠たる不安感があるのではないか?
そうでなければ経済的に苦しい欧州が、幾らでも金になる(そしてどこよりも入念に注意深く作品を扱う日本に)貸さないわけがない。

ま、それでも私にとってウフィツィの名前は特別なんで、先週の日曜に行ってまいりました。

[ウフィツィ美術展 黄金のルネッサンスに感じる欧州人の深き不信の影]...Read more

スポンサーサイト

電子書籍二冊目、美術館の帝王第一巻をキンドルに出版申請しました

2014-07-07 | 22:14

たった今、キンドル出版に電子書籍二冊目。
美術館の帝王第一巻を出版申請しました。

美術史の簡単覚書で、これ一冊覚えれば貴方も美術館の帝王になれる、という本です。
今回はゴシック絵画からルネサンス、バロックまで。

出版されたらまたよろしく。
二部は売れるはずと思っていた安室先生の本は現在まで10部売れました(笑

販売価格は前と同じ100円。
予定販売数は・・・正直、自分で買う一冊と・・・あとは目算立たないですね。
自分以外0部も覚悟です。
でも本にするのは楽しいのでまだまだ書きますよ!

バルテュス大回顧展2014年@硬直した少女の肢体の何が美しいのか

2014-04-20 | 21:39

妻が好きな画家でもあり、熱心だったので朝一で行って来ました。
今回は没後の回顧展ということからバルテュスの奥さんである節子さんが大きくフューチャーされていました。

展覧会には大作も多く充実したモノと感じましたが、結局、バルテュス芸術とはなんなんでしょうか?
彼のモティーフの中心は、
1)少女であること。
2)硬直したポーズで、人というより人形など生命力のない物体のような感じがあること
の二点です。
陰毛のない女性器が描かれるなど、芸術です、と言わないと検閲対象になりかねない題材が主力なんですが、さらにどう見ても巧い、という絵ではない。
それなのにその絵には何か、我々の深層を刺激する力がある。

今、たまたま読んでいる「文学と悪@バタイユ」(バルテュスとバタイユは友人で、その娘さんがモデルになっている絵も来ていた。これはホント偶然)では、
「今の世界は「善」の通俗化としての残忍な悪と「悪」の通俗化としての残忍な善にとりかこまれていたのだということを忘れるべきではない。文学にとって至高のものとは、悪の極限を掘りあてようとすることではないのか」、と問いかけられているんですが、そんな大それた感触でもない。

[バルテュス大回顧展2014年@硬直した少女の肢体の何が美しいのか]...Read more

Theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
Genre : 学問・文化・芸術

世紀末画廊 澁澤龍彦@萌えアニメのサンボリズム的解釈に必須な教養

2013-09-19 | 22:29

碩学、澁澤龍彦先生が世紀末と幻想芸術全般を俯瞰した1冊です。
アンソールから語り始められるこの本は、歴史的には紀元1000年(至福千年期)から発展したサタニズムの解釈から、ビザンティンの薄明に至るまで。
東西では上田秋成からシュルレアリズムを経てベルメールに至るまでと、ともかく広い。
そして何より今に響くのは、萌えアニメを解釈する上での深い歴史的考察です。
萌えは現代に突然始まったモノではなく、人類の文化史上、連綿と続いていたモノなのです。

東西の古典に精通する衒学者であると同時に、芸術を詩情豊かに語れる詩人でもある澁澤龍彦の本は、何度でも読み返したくなるので以下、忘備録
1)心理学者ノーマン・ブラウンによれば、あらゆる人間の文化、芸術的活動の目標は、「失われた幼児の肉体を発見してゆくことである」が、幼児とはフロイトの言う「多形性倒錯」者としてのアンドロギュヌスに他ならない。
それはブルトンの言うファンム・アンファン(幼児のような女)と一致する。
「私が幼児のような女を選ぶのは、彼女を他の女と対立させるためではなく、彼女のうちにのみ、もう一つの視覚のプリズムが完全な透明状態において宿るように思われるからである@ブルトン」

2)幻想美術は、何かを語ろうとしているという意味で、文学的絵画と同義語になる。明らかに一つのメッセージが発せられので、それは詩人や小説家の役割と等しく、反リアリズムの基礎に立っているが、最後まで現実からは解放されず、純粋抽象の海の中に、そのメッセージを拡散させてしまうことはない。

[世紀末画廊 澁澤龍彦@萌えアニメのサンボリズム的解釈に必須な教養]...Read more

Theme : art・芸術・美術
Genre : 学問・文化・芸術

ミケランジェロ展 天才の軌跡@映像と巨大写真の展覧会&破壊されかかった最後の審判から今の日本が学ぶこと

2013-09-11 | 21:42

アートならどんな時代のも好きなんですが、一番好きな時代はルネッサンスです。
そしてルネッサンスと言えば「神の如きミケランジェロ!」なんですが、個人的にどうもあんまり萌えないんだよね。
確かにずば抜けた偉業をなした画家であり、システィーナの天井画をもってして、美術史上、最高の作品である、と言う人がいても疑問には思わないんだけど、なんだか人物像の骨格が立派過ぎちゃってね。
見ていて感心は出来ても重きに過ぎる、というか。
仕事の量は少なくても、レオナルドとかティツィアーノとかラファエロとかボッティチェッリの方が、私の美意識にはピンと来る。
その上、今回の展覧会は、どうも大した作品が来ているわけではないようだ。

ま、ミケランジェロの大した作品というと、イタリアの国宝、バチカンの至宝ということで、どんなお金を積んだって来るもんじゃないで仕方ないんですが、やはりメインが「階段の聖母」というのは弱かったんじゃないか?
巨大写真と4K撮影の映像は充実していて楽しめたけど、やはり美術館の楽しみは、生の作品を観てナンボ。

ただ今の日本へ通じるメッセージはあって、芸術の頂点として、今でこそ多大な観光客を集め、イタリアの誇りであるミケランジェロも、裸の男のオンパレードの大壁画に当時はエロだの、不謹慎だの、こんなのは教会よりも風呂屋がふさわしいから塗りつぶせだのと言われっぱなしで、実際、レダと白鳥は焼失、最後の審判も取り壊し案があったらしい。
卑小な常識に権力が乗っかって芸術に手を出せば、歴史が下す審判はこんなモノ。
肝に銘じておきましょうね。
特に警察官僚出身の議員さんたちはね。

ps
最後は例によってミュージアムショップでグッツを見たのですが、絵をあしらったクリアファイルにタンブラーにTシャツ等々、どっかで似たお店を見た記憶が・・・アニメイトと変わらないよね、この風景。
こうなったら後はまどマギワインとか売るしかないな(笑

Theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
Genre : 学問・文化・芸術

肉への慈悲 ディビッド・シルベスター@血の匂いが私に微笑かける

2013-07-14 | 23:35

モダン・アーティストの中で、市場で最も評価が高いフランシス・ベーコンに、友人であり美術評論家のディビッド・シルベスターがインタビューした1冊です。
美術史上最も重要な1冊、というふれ込みでしたが、読了後感じたことは、まあそれほどの本でもないような(笑
インタビュー本としては、アルシャンボーの本の方が興味深かったような・・・

ただ昨今の日本の世情をかんがみると、良識が芸術(先端的な文化)に対して健全性という錦の御旗で浸食を計っているのは、見過ごすことは出来ない。
この本の中で語られる本物の芸術家の価値感が、いかに異常か、という事位は、教養として知って欲しいということですね。
異常人なら芸術を創造出来る、ということはありませんが、長く命脈を保つ芸術、文学は、何かしらの異常性を含んでいるモノなのです。
それを健全性の御旗の元に、根こそぎにしてしまうと、暗黒が現実の社会を蝕み始めるだろう、ということは、過去の歴史が教える処です。

例えばフランシス・ベーコンは、こんなことを言っています。
「私は人間が安寧に暮らすべきだとはまったく思いませんし、安寧な生活など絶対に望みません。創造性が萎えてしまいます。不公正は人生の本質だと思います。偉大な芸術を生み出すのは苦痛や個人差であって、平等主義でない。社会的公正というのは無意味に自然にさからうものだという気がします」

「幸福な社会など、誰が気に掛け記憶にとどめるでしょう。何百年後の人々が考えるのは、その社会がどんな遺産を残したか、だけです。歴史に偉大な創造をした社会こそが人々の記憶に残ってきたのです。」

まあ、政治家や役人が言ったら大変な発言ですし、私も同意する者ではありませんが、この位の人間でないと、人

[肉への慈悲 ディビッド・シルベスター@血の匂いが私に微笑かける]...Read more

Theme : 本の紹介
Genre : 学問・文化・芸術

青地に1本線バーネット・ニューマンはどこが凄いの?@44億円落札の抽象画

2013-05-16 | 21:57

真っ青なキャンバスに、一本の白線を描いただけの作品が、44億円で落札され話題をよんでいます。

いわゆる抽象表現主義、とかミニマル・アートと呼ばれる分野ですが、私もこの手の絵画、分かりませんでした。
果たしてこんなモノが芸術なのか?
誰にだって描けるではないか?
みんなキュゥべえに騙されているのではないか?という疑問ですね。

それが変わったのが、ある美大出のご夫婦と知り合ってからでした。
話がはずむ中、デ・キリコの画集があったので、
「美術が好きになったのは、中学の頃、美術の教科書で(街の神秘と憂愁)を見てからなんです」
と言った処、綺麗な奥様も「あら、私もあの絵からです」ってね。
嬉しい盛り上がりがありまして、で、その下にあったのが、マーク・ロスコの画集だ。
マーク・ロスコも先日、非常な高値で落札された、検索してみれば分かるように、今回と同じような作風の画家ですが、正直に、「こういう画家は分からない」と伝えた処、御主人が、それは画集で見ているからですとおっしゃいましてね。
実物は見ると凄いですよ、と。
川村記念美術館にあるから、是非一度ご覧なさいと言われたので、まあモノは試しと行ってみて、目の前にして圧倒された。

ホントに凄い絵なんですよ。
どこが凄いのか、というとこれはもう私も同じことを言うしかない。
画集とか、ましてやネットの画像では理解出来ない。

[青地に1本線バーネット・ニューマンはどこが凄いの?@44億円落札の抽象画]...Read more

Theme : art・芸術・美術
Genre : 学問・文化・芸術

フランシス・ベーコン展@東京国立近代美術館:教皇は何故、叫ぶのか?

2013-03-29 | 22:11

展覧会開催記念。
前記事に続いて画家フランシス・ベーコンへの解釈記事です
フランシス・ベーコンの最も高名な作品「ベラスケスの<教皇イノケンティウス10世の肖像>に基づく習作」。
今回も叩き台になったと思われるモノが来てますが、中の人物が叫んでいます。

ベラスケスのリライトなら、単に画風を変えれば良いのに、何故ベーコンは叫ばせたのか?
その叫びは何故か?
恐怖でしょう。
教皇は非常に恐ろしいモノを見たのです。
何か?
鏡です。
彼は自身、自らの姿を見て、恐怖に絶叫しているのです。
我々は肉(他の命)を喰らわなければ一瞬たりとも生きながらえない。
我々の原罪は消えていない。
我々人類は、という以前にありとあらゆる生命は、他者の犠牲の上に生きる呪われた存在である。
この意味を悟った時、教皇イノケンティウス10世は、叫ばずにはいられなかった、というのがベーコンの解釈でしょう。

生はおぞましい。
それでも我々は生きなければならない。

[フランシス・ベーコン展@東京国立近代美術館:教皇は何故、叫ぶのか?]...Read more

Theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
Genre : 学問・文化・芸術

フランシス・ベーコン展に行って来ました@剥きだされた歯の語るもの

2013-03-27 | 16:54

20世紀中盤以降に活躍した画家で今後最も評価の進む二人上げろと言われたら、私はマーク・ロスコとフランシス・ベーコンの名前を挙げます。
その動きはすでに絵画マーケットにおいて顕著ですが、今回の副題、「ピカソと並ぶ美の巨匠」というのには違和感を感じます。

フランシス・ベーコンの名前は、未だモダン・アートのマニア以外に一般的でないが故に、集客効果を狙ったものなのでしょうが、二人の画家は、その画業に置いてまるで質が違っている。
次々にスタイルを変え、傑作の山脈を造り続けたピカソと、ほぼ一貫したスタイルで一生を通したベーコン。
女性好きのピカソとホモセクシャルだったベーコン(笑
楽天的であけっぴろげ、強気のピカソと陰気で謎めいていて引きこもりがちだったベーコン。
方や20世紀美術のメインストリームをリードしたみんなのアイドル、ピカソと一人、孤高の高みに到達したベーコン・・・まあこの辺にしときましょう。
ただあまりに陳腐な副題を付けるとベーコン展を待っていたようなモダンアートオタクはシニカルなので注意が必要です。
それから熊川哲也の音声ガイドが酷い。
ほとんど自分のイギリス時代のバレエのお話で、ベーコンとまったく関係がない。
ただこれは熊川さんの責任というより、時代が一致したいたというだけで頼んだ方が悪いよね。
バレリーナはその本質において反ベーコン的であることが必須です。

[フランシス・ベーコン展に行って来ました@剥きだされた歯の語るもの]...Read more

Theme : art・芸術・美術
Genre : 学問・文化・芸術

ラファエロRaffaello大公の聖母展@後の基準になったのはラファエロなんだよな&優雅な画家の優雅なグッツ

2013-03-06 | 16:41

国立西洋美術館で開催されているラファエロ展に行ってまいりました。
晴天でも平日なら混雑も少しはマシかなという目論見でしたが、まずチケット売り場には長い列。
日本人なら印象派とフェルメール。
ラファエロといえどルネッサンスは人気上、対象外と思ったら最近は違うのか?と恐れるも、列はあっという間に解消。
展覧会の入り口も混雑はなくスムーズに入場出来ました。

で、まず駆けつけたのは、今回一番の売りである「大公の聖母」ですが、確かに優美であり、至上と言える作品で、これほどの絵画はそうそうないであろう。
でもラファエロの聖母といえば「小椅子」だよね。
この辺、芸術というのは残酷です。
一番と二番では圧倒的に感動が違う(二位じゃダメなんだよ)
それから音声案内の出来がイマイチでヴァッザーリの画人伝からの引用が少し恣意的過ぎる・・・
スミマセン。
画人伝はベットサイドにおいてたまにめくっている愛読書でね。
気になりました。
どう気になったかと書くと長くなるので控えます。

[ラファエロRaffaello大公の聖母展@後の基準になったのはラファエロなんだよな&優雅な画家の優雅なグッツ]...Read more

Theme : 美術館・博物館 展示めぐり。
Genre : 学問・文化・芸術

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。