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フィツカラルド@船を山に登らせることとiphoneは根源的に同じではないか

2013-08-28 | 22:09

パリと言われて思い浮かぶイメージもあれば、南米、と聞いて思い浮かべるイメージもあるだろう。
南米、アマゾン、ジャングル、すべてを覆い尽くす過剰な生命力の繁茂と混沌としたエネルギー。
一切の秩序をあざ笑うような、嵐のようなインプロビゼーションの世界。

この映画はそんな密林の奥地に、あろうことかオペラハウスを造ろうとする男の話。
オペラハウスを造るなら、何もよりによってアマゾンの奥地に造らんでもイイんではないか、とか。
どうせ造るならオペラハウスでなく発電所とか、病院とかが実用的で望ましいんじゃないか、なんて利口な判断は、主人公のフィツカラルドにはない。
彼はオペラが好きなんであって、それをアマゾンの奥地に造りたいのである。
自分の衝動以外、一切、利口な判断に斟酌しないのである。
当然、莫大な金が必要となり、富豪でないフィツカラルドが、それを稼ぎ出すのは至難の業なのだが、一直線にやり抜こうとするのである。
無理に無理を重ね、そしてついに船は山を登ることになるのである。
映画史上、この非常に有名なシーンは、見ればやっぱり感動せざる得ない。
この人間という生き物の持つ馬鹿げた情熱は、どこから来るのか?
そして何処へ行くのか?

話が飛ぶが、そこでふと考えるにiphoneである。

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Theme : WOWOW/スカパーで観た映画の感想
Genre : 映画

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド@人にとっての過剰な情念、とは・・・

2009-10-08 | 21:30

オイル・マン(石油の採掘屋)として一代で巨万の富を築き上げた男の《強欲》をテーマとしてアカデミー主演男優賞などを受賞した作品です。
確かに受賞したダニエル・デイ=ルイスの演技は確かで、途中から観ているのが嫌になるほど痛烈な強欲のリアリティが伝わってきます。

ただ監督のポール・トーマス・アンダーソンの投げかけたメッセージはそれだけでしょうか?
この映画、一人の男の一代記であり尺も158分と非常に長いのですが、主要な登場人物は3人だけなんです。
まさにGreedそのものの主人公ダニエル。
そしてそのダニエルが連れている男の子、HM。
石油を掘り当てる場所で牧師をしているポールという若者です。

このシンプルな構成はどことなく形而上学的です。

確かにひたすら己の金銭欲だけに目とギラつかせ、人を徹底して踏みつけるダニエルは不気味

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Theme : WOWOW/スカパーで観た映画の感想
Genre : 映画

81/2@フェリーニ  :人生は(色々大変だけど)祭りだ。共に楽しもう!

2009-07-24 | 20:41

フェデリコ・フェリーニ畢生の1品であり、映画史上に燦然と輝く傑作とされてますが、難解です。

一応のストーリーはありますが、無秩序に交錯する現実と幻想、欲望と悪夢の展開は、いわゆるストーリーを見る映画じゃないと思います。

ただ画面の美しさは比類がなく、仄めかされる色々なオブセッションと囁かれる恐怖と啓示には強く惹きつけられます。
夜の闇の中に組み上げられた「何か」はすでに目的を喪失して強い表象としての存在を黒々と表します。
光と影の中で強い沈黙を強いられる映像は、どこかジュルジュオ・デ・キリコの絵画を思い起しました。


ps
ワルキューレが「地獄の黙示録」だけじゃないんだ、ってことを知っておくためにも観て置いてイイんじゃないでしょうか?
これだけ無茶苦茶やっても感心して観ていられる映像が撮れるのは、この人とデビッド・リンチくらい?
食事をしながら2日掛けてぶつ切りで観終えたんですが、こういう映画はうんと時間を取って何回も見たいですね。
出来れば映画鑑賞のサークルか何かに入って課題作品としてさ。
幾らでも解釈の仕様がありそうで、論じる快感が尽きない気がします。

Theme : この映画がすごい!!
Genre : 映画

冷血@映画、原作T・カポーティ

2008-11-10 | 20:45

作家T・カポーティが取材し小説化した一家4人殺人事件を、名匠リチャード・ブルックスが監督した1本です。

全編モノクロで撮られた映像は、暗闇に浮かびあがる大きな靴が剣呑な雰囲気を醸し異様な緊張感の中に始まります。

特筆すべきは犯罪者を演じる二人の主演俳優でしょう。
いわゆる無差別殺人者なんですが、サイコ・キラーってだけなら、昨今の映画では珍しくもない(笑
だけどこの二人、ホラー映画を見慣れた私でもホントウに怖かったです!
この映画はホラーじゃないって?
そうですね、確かに原作は現代アメリカ文学の傑作ですし、R・ブルックス自身もホラーという範疇では撮ってない。
でも人を殺すことをなんとも思わない連中が主人公って点ではホラー映画と被る処もある。
そのホラー映画のサイコキラーと一番違うところは、この二人、ちょっと乱暴なんだけど一見、普通なんですよ。
まったく他では異常のない、その普通さが怖い。

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Theme : ホラー
Genre : 映画

街のあかり@アキ・カウリスマキ

2008-09-11 | 23:46

アキ・カウリスマキは、不思議な監督だ。
映画に出てくる俳優、女優陣はみな凡庸に見え、背景となる景色は特に美しくもなく、洒落たセリフも意表をついた展開もない。
派手なアクション・シーンはモチロン、エロティックなシーンもない。(CGなんてどこの国の話だ?)
物語は愛想なく進行し、これといった伏線もなくただ一直線に終わる。
本当に驚くのは、これだけ退屈な要素を並べながらも、その映画はしみじみとした味わいに満ち、とりえのない主人公に真から感情を移入できることだ。

この映画は、サエない警備員が驚くほど単純な陰謀に引っかかり、巻き込まれ、最後に救いを得る話。
「浮き雲」「過去のない男」に続く「敗者三部作」の最終章らしい。
前二作も良かったけど、個人的には、この映画が一番気に入りました。
みんなに疎まれて、バカにされている主人公が他人とは思えない(笑

この間この人と似たストーリーを造る人を読んだ、と思ったらジョイスだった。

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Theme : 心に残る映画
Genre : 映画

あるスキャンダルについての覚え書き

2008-09-04 | 21:50

原作がブッカー賞候補になった、二人の女教師の物語り・・・この背景からは、地味な文芸映画かと思われましたが、内容は非常にハイ・レベルなスリルに満ちた1本でした。

舞台は中学。定年を間近に控えた女老教師と、赴任してきた色花溢れる美術教師・・・
二人の間に繰り広げられる愛憎の行方は・・・です。

人がその胸の内をさらけ出した時、そこに一点の曇りも、闇もない、ということは、あり得ません。
もしそんな人がいたら、それは完全な狂人か神の子でしょうか?
どちらにしろ凡人には、非常に恐ろしい存在です。
どんなに良い方でも、我々は誰しもが、その内面に幾らかの悪意、嫉妬、卑劣な気持ち、を抱いている。
それを内面だけに留め、他者に害悪をもたらさないようにするのが文化文明、民度、人格というものです。

凡庸なサイコ映画が花盛りですが、連続殺人者のような極端な例ではなく、日常、誰しもが抱く闇の深さを非常に鮮明に描きだしたのが、この映画の値打ちです。
大げさな仕掛けはなし。
それでも十分に人の奈落が覗けます。

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Theme : 俳優・女優
Genre : 映画

タクシードライバー@デ・ニーロ&スコセッシ&バーナード・ハーマン

2008-05-20 | 22:47

私の青春時代に、極めて大きな感動を与えてくれた映画です。
見る前から、その印象的なポスターで予感はありました。
荒廃したNYの裏町を薄汚れたジャンパーを着て、肩をすぼめてあるくデ・ニーロ・・・
それはまさしく自分自身を写し取られたかのようで(議員を乗せた時に一瞬映るデ・ニーロのマヌケ面の写真なんて私のイメージです)他人の映画とは思えなかった。

深夜のギラつくライトに被るバーナード・ハーマンの音楽と、トラビスという名前とその薄ら笑いは私にとって長らくNYの象徴となり、実際に行った時、まず思ったことは、「ああ、俺はタクシードライバー」の街に来たんだってこと(笑

孤独、暴力への衝動。あてどのない未来とつねにせっつかれているような焦りと欲望。

美しくも高貴なシビル・シェパードは、セクシーで、ファッショナブルで、如何にも「値の張りそうな女」で、だからこそ、何も持たない若造の手の届かないものそのもで、その夢に敗れたトラビスが次第に狂気と暴力に深化する様は良く分かります。

肉体を鍛え上げ、訓練に明け暮れ、武器を買い揃えては、改造し工夫し、磨き上げる。
長らく若者が続けてきたことです。(metaphorとしてですよ)

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Theme : この映画がすごい!!
Genre : 映画

羅生門@黒澤明、芥川龍之介原作

2008-04-05 | 22:22

日本映画が世界を驚かせた端緒となった作品です。
実際、今見ても非常に見事な作品だと思います。
物語は神話的であり、それ故、普遍性に満ち、黒澤作品の中でもこれから評価が高まるでしょう。
変な喩えですが、もし黒澤作品が1品づつ値段のつくアートならコレは買いですね。
普遍性をテーマにして、成功した作品は古びません。
むしろその過ぎ去った年月を糧として価値を増していきます。

映画は、冒頭の篠付くような豪雨に、半壊した大門、羅生門の描写から、異様な予感をはらみます。
これだけで断然たる出来です。

そして最初のセリフが「わからない。さっぱりわからない」と来る。
いきなり映画のテーマ、結論を言ってしまっているんですが、その後の映像が見事なので、まったく退屈しない。
スポーツならやることを試合開始と同時に全部あからさまにしながら、プレーの見事さで見せてしまうようなレベルです。

呆然と空を見上げるシーンから登場する三船は、唐突に狂騒的な笑いを発し、森を駆ける様は野生そのものです。

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Theme : クラシック映画
Genre : 映画

カポーティ

2008-03-01 | 22:13

録画してからHDDの中で眠らせておりました。
時々観たくなりましたが、読みかけ本の在庫一掃を敢行中だったので、堪えておきました。私の場合、映画を見てしまうと、小説が読みたくなるに決まっていますし、そうするとまた読み切らずに読みかけ本が増えるという循環が常考ですから。

そこに春樹村上様のティファニーが新訳で登場と聞き、これなら春樹村上新訳刊行記念として見ても良いのではないか?ということで見てみました。
録画の1本ごときで大げさですかね(笑

映画は寒々としたカンサスの農村風景から始まります。
クッキリとした地平線と寒々として広い空の風景は、寄る辺ない人の孤独と寂寥を暗示し、そこへ一滴の血が滴り落ちたような突然の惨劇が起こり、何故かNYセレブリティ界の人気者、トルーマン・カポーティは注目し取材を開始します。

カポーティ役はアカデミー賞を取りましたが、確かに「アマデウス」のモーツアルト役を連想させるほどエキセントリックな存在感があり、sensitiveで神経症気味の作家を良く演じていたと思います。

ただ映画は題名にちょっと偽りありで、カポーティという作家全体を俯瞰した造りではなく、あくまで「冷

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Theme : WOWOW/スカパーで観た映画の感想
Genre : 映画

「ひとごろし」を見て考えるて終わる正月休み

2008-01-03 | 23:11

主演が松田優作で、題名が「ひとごろし」だから殺伐としたヴァイオレンス映画なんだろうな。でもファイルの整理しながらだからイイか、と思って点けたら、まずは時代物だったので意外な感じ。

しかも優作はメチャメチャ気の小さい武士の役で、あまりの情けなさに妹にまで縁談が来ないという設定。
その優作が、妹不憫さに意を決し、あまりに強すぎて上意討ちの命令にすら、城下の誰もが怖がって近づかない、という浪人をやっつけいに行くことになって・・・という話です。

まともにやったら100回やっても勝てない相手に、弱い自分がどう勝か?という難題の解決法の是非はともかく、結局、「考える」ということは、人が生きる為の一番の武器なんだよな、ってことは実感します。
そして良く考えることは「豊かさ(この映画のラストの事)」の実現に繋がりますよね。
モチロン考えているだけではダメで、実行をともなわなければならないのですが、必死に考え、結果が出たらやってみると。
正月から荒れてるマーケットを見ていても思いますよ。

さらに話は飛ぶようですが、

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Theme : 邦画
Genre : 映画

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