スポンサーサイト

-------- | --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

美の歴史:2  ウンベルト・エーコ@第Ⅲ章:均衡と調和の美/すべてはプラトンから

2009-02-17 | 22:55

古代ギリシャでは美の定義に色彩と光の快感を必須とした。
また万物の起源論が盛んであってが、前6世紀にピュタゴラスが万物の起源は数である、と主張し、宇宙的美学=数学的な見方が誕生した。
彼らは無限と限界に帰せられないものに神聖な恐怖を抱いたのである。
また音楽における数学的な比例と均衡を研究した淵源となる。

テトラティクス:ピュタゴラス派の宣誓の象徴。
一つの三角形の中に無限に三角形を描いたもの。

調和は対立のうちにある。
偶数と奇数、有限と無限、統一と多様性、右と左、直線と曲線。
それらの均衡がカノン(規範)となり、幾多の彫刻が造られた。

中世の文化はプラトン起源(同時に発展したヘブライの神秘思想も)世界は一つの大きな生物、人間のようであり、人間は世界のようである。宇宙は大きな大きな人間であり、人間は小宇宙である。
よって「ホモ・クアドラトゥス@ピュタゴラス」宇宙の原則である数が、美的な照応でもある一連の数的照応にもとづく象徴的な意味を帯びる。
自然は4つの部分に分けられる。4つの季節、方位、上下左右など。
芸術においてもそうであらなねばらない。4は基軸の数であり、謎を解く数である。
道徳的な人間を「テトラゴン、四角い」と言うが、4は道徳的な完全さの数である。

5は掛けると常に5が現れる。5は循環する数であり、神による創造のマトリックスであり、聖書にも見出される(モーゼ5書、5つの聖痕)
そんな数学研究が正確さの頂点に達したのは、ルネッサンスの遠近法である。

醜い物でさえ比例と対照により、世界の調和の構成要素になる。
怪物でさえ天地創造のなかで存在理由をしめし、秩序における悪も美しき良きものとなる。なぜなら悪から善が生まれ、悪の傍らで善はより輝くからである。

トマス・アクィナス:美が存在するためには、比例だけでなく、全体性と輝き、調和が必要である。
比例は道徳的な価値も含める。互いに支えあい建物を堅固に保つ石の行為は美しい。
「神学大全:精神の美は一人の人間の言動が理性の光に照らして均整が取れていることにある」

比例の理論の背後には、イデアこそ現実のモデルであり、現実は不完全な模倣に過ぎないというプラトン哲学がある。
芸術とは自然の不完全な模倣であり、自然はイデアの不完全な模倣である、という考えに基づいている。

ルネッサンス末期、その黄昏に重要な考えが生まれる。
均衡の取れた比例からでなく、一種のねじれ、数学的な規則を超えたところへ向かう不安と緊張のねじれから美が生まれるという思想が生まれる。
マニエリズムの不安である。

ps個人的な感慨
不均衡の美。不安の美。マイナスを指向する美。それはマニエリズムが始めだったのか。
ギリシャ美術・・・人類の原初
中世美術・・・宗教によすがに歩き出す。
ルネッサンス・・・宗教の頚城を逃れて自分を取り戻す。
ギリシャの頚城をやっと逃れるのがマニエリズム。
進歩とは困難なものですね。
スポンサーサイト

Theme : アート
Genre : 学問・文化・芸術

Comment

Post a comment

Secret

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。