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【毒入り】芥川龍之介全集6【キケン】

2009-04-25 | 20:58

何故か、今どき、この年になって芥川龍之介です。
読んだのは全集の6巻目で、最後の作品集。
遺稿となった「歯車」と「或阿呆の一生」などが中心の作品集です。

全編、大したストーリーもない短編中心に27編。
500p弱ですが、一気に読み通してしまったのは、ひとえに文章の力です。
伊達に後年、最も権威ある賞として「芥川」を名乗ってないのが分ります。

でも不思議・・・三島や川端・・・読んでるだけで華麗にして豊穣。
三島なんて絵でいうと狩野派の金色の輝きだし、川端は怜悧なる墨絵の世界?
漱石は底知れぬ教養・・・
そういう観点からいうと芥川の文章は驚きに乏しい・・・色彩もない・・・大自在の境地って感じでもない。
あるのは、神経症の細かい襞の震えの作る陰鬱な影・・・
でも読ませる。
そしてともかく危険な作家だ。
特にこの作品集は、自殺直前の作品などが多いせいか、読んでいると「毒入り危険」を感じせ、あらゆる作家の中でもなんとなく死にたくさせる力は随一なのではあるまいか?

「歯車」はやはり圧巻で、「レイン・コウトの男」なんてともかく怖い。
下手なホラーなんて問題にならない。
特にラストの一文はなんなんでしょうか?
狂気との瀬戸際に書かれた文章は凄み充分。

芥川は一見読みやすい短編が多く、童話も多いので中学位で読む方多いと思いますが、やはり本領は年行かないと分らないんじゃないかな?

世間では、文学は若い頃のモノ。
年とったらダメ、なんて言っているのは単に知的に怠惰なだけです。
読みましょう。
安い趣味だし楽しいですよ、文学は。


ps
「ぼんやりとした不安」を感じて自死しましたが、この不安を後の「世界的な悲劇への予感」、とする解説が多いですが、もっと普遍的なものじゃないかな?
予見力とするより、この不安、人の精神の本質的なものと思うのだけれど如何?
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Theme : 本の紹介
Genre : 学問・文化・芸術

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