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ストーリーの迷宮 阿刀田高@狂気を外側から描く作家の今回は、

2009-05-18 | 20:21

阿刀田高は冊数から言えば私が最も読んでいる作家だと思います。
文体が都会的で洗練されていて非常にスマートで洒落ています。
そして怖い。
でもその怖さはジム・トンプスンのように読んでいて、コイツ、イッちゃってるだろう、という狂気が内包されているような怖さではなく、冷静な外科医が狂気という術野を切り広げたかのような、明快な光に満ちた怖さ。
この方ほどクールに狂気と恐怖を語る人はなかなかいないと思います。

この本はそんな阿刀田さんが過去に読んだ「夢十夜」、志賀直哉、民話からモーパッサンまでをモティーフに書かれた短編集です。

夢か記憶か現実か、はたまた以前読んだフィクションなのか?という迷宮を彷徨わせるアイデアはヨロシイと思うのですが、肝心のキレはイマイチ。
阿刀田作品ならもっとオススメ沢山あります。
それでもラストの一編、表題にもなっている「ストーリーの迷宮」はオモシロかったです。さすがですね。

印象的な一文の覚え書き@神々は笑う、から
「プロメテウスが人間に知恵を付けたので、ついには神様を否定したり核エネルギーを開発したり、宇宙の果てを探ったり、クローン人間を創ったり、まさに神を恐れぬ文化を発展させたけど、大神にしてみれば想定内のなはし。
-なーに、また争いのりんごでも投げればすぐに殺しあうだから-」

「ギリシャ芸術には、音楽の精神、すなわち混沌と陶酔を蔵したディオニュソスの深淵が隠れている。アポロ神とディオニュソス神によって象徴される二つの芸術衝動の相克と統合によってギリシャ悲劇は栄えた。それをソクラテスが克服する。ディオニュソスが滅びるとアポロも滅びる」
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Theme : 短編小説
Genre : 小説・文学

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