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イメージを読む   若桑みどり@美術史の喜びが堪能出来る1冊!

2009-07-04 | 21:57

美術史は関心のない人だと随分マイナーな分野だろう思うかもしれませんが、かじるだけでも学んでみれば、これほどオモシロイ勉強があるのかと驚きます。

特にこの本は素人向けでも程度は下げられておらず、基礎理論や最先端の解釈が織り込まれて「知る喜び」に溢れた1冊です。

人にはその歴史をスタートさせてから延々と言語では表現不能なことをイメージで伝えてきた歴史があります。
美術史においてそのイメージの歴史を学ぶことは、人類の歴史をトータルで理解出来るということでしょう。
芸術は感性の文化ですが、より深く理解するには知性も必要なんですね。

取り上げられる画家は、ミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、デューラー、ジョルジョーネです。

以下基本的な教養に属することの覚え書きです。
でもこの本の本当のオモシロさは以下の覚え書きより、若桑さんがそれぞれの絵を読み解いて行く過程にありますのでお忘れなく。

ルネッサンスの終焉は1502年、ラッファエッロの死んだ年
バロックの終わりはルイ14世が死んだ時、1715年

ギリシャの芸術様式から学ぶ芸術表現の発展段階の定義
プリミティブ:技術的に未熟で、形式的にも自己固有のものを特定出来ない段階
クラシック:時代が変わってもゆるがない価値をもった完璧な様式
バロック:技巧が爛熟し、形式が過剰になる
マニエリズム:形式が整備しつくされてワンパターン化してくる

時代がある様式を要求し生み出すが、それが時代精神をうまく表現しなくなったときには、それは死ぬ

封建的で固定されたカソリックの形而上学が行き詰まった時、近代を切り開く発想の転換になったのが神秘哲学です。
その魔術師の祖がヘルメス・トリスメギストス(三重に偉大なヘルメス)というヘレニズムの神で、彼を著者に擬した文書をヘルメス文書といいます。

神秘哲学はアリストテレスなどのギリシャ哲学に淵源を持ち、錬金術などとして発展しましたが、カソリックにより弾圧され、近代科学からは蔑視され忘れ去られた学問となりました。
ただ魔術は不自由な運命に抗して積極的に戦いよりよく生きるための知恵でもあったのです。
大切なことは現代の目で過去を切ってはならないということです。
科学的真理がそれを否定したとしても、その価値を減らしたわけではありません。
歴史とは過去を正しく理解することで、現在の価値の基準で裁くことではありません。
過去の誤謬のなかに現在の真理の卵があります。

スゴクオモシロイ本でした。
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Theme : art・芸術・美術
Genre : 学問・文化・芸術

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