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ロスト・トレイン 中村弦@構成も描写も完璧なファンタジー小説

2010-01-10 | 20:53

「日本のどこかに、まだ誰も知らないまぼろしの廃線跡がある。
その廃線跡に行って、始発駅から終着駅まで歩き通せば、驚くような奇跡が起こる」
鉄道関連は、まったくの関心外なんですが、上記の素敵なキャッチ・フレーズに惹かれて読んでみました。
結論として言えるのは、この小説、「起承転結」の構成から、各部分の描写まで完璧な出来栄えですね。

まず「起」として主人公が登場するのですが、描かれ方が自然で魅力的です。
際立った能力はなくても優しい人間性の持ち主であることが良く書けています。
「承」としての話の展開も極めてスムーズです。
ファンタジーを引き寄せる人との出会いから話しはテンポ良く進み、その間のエピソードは心暖まります。
そして「転」として謎が起る。
その謎は最初に書いたことなのですが、それを一緒に追求する相手役が登場します。女性なのですが、キャラクター造りも魅力的。
彼女と一緒に謎を探る過程もスリリングで楽しめます。
もう一人の消失者の処など、少し怖くてイマジネーションが広がりました。
そのオチの付け方も良かったです。

「結」として最後の旅が始まるのですが、ここはファンタジー小説の決断が問われる処です。
現実主義で行くのか、ホントウのファンタジーに行くのか?
どちらにしろ今まで大きく広げた風呂敷の畳み方なのですが、非常に高いレベルで成功しています。
旅の最後の協力者が素敵で、前振りとなるエピソードが読ませるんですね。

クライマックスはドラマティックで、ラスト、数々の伏線は綺麗にまとめられ、予定調和であるようでないような切ない終わらせ方は、読後に大きな余韻を残してくれました。

オモシロかったです。
いやー、読書はやっぱり最高の趣味ですね、と思える本でした。
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Theme : 本の紹介
Genre : 小説・文学

Comment

Re: 未読ですが

> 近頃流行の鉄道モノのようですね。(^ァ^)
私は鉄道、興味ないんですけどね。
それでもオモシロかったですよ。

> しかもファンタジーですか。
良質のファンタジーです。

> マウンテンバイクでそんな廃線の後を辿る。
> 地域の歴史、交通網の栄枯盛衰なども含めて、なかなかオモシロそうでしたけれど、私はそこまで手を出せず。(^^ゞ
この本にもありますが、かなり危ないこともあるようです。
手が出なくても良かったかもです。

> ご案内の小説、とってもオモシロそうな雰囲気が伝わってきます。
ともかく品が良いのですよ。

> 機会があれば手にとってみたいです。(^ァ^)
もとよしさん、絶対に気に入ると思います。
実は読みながら、少しもとよしさんに薦めたいと思っていたのです。
図書館にもあると思うので、散歩の折りにでも是非!

  • 2010-01-11 | 23:44 |
  • 晴薫(はるく) URL :
  • edit
未読ですが

近頃流行の鉄道モノのようですね。(^ァ^)
しかもファンタジーですか。

以前私が自転車のサイクリングに凝っていた頃、パソコン通信で廃線好きなサイクリストさんの活動を知ったことがあります。
山の中の廃線や廃道って、数年のうちに草ぼうぼうになってしまうそうですね。
でも、その痕跡はずっと残るようで。
マウンテンバイクでそんな廃線の後を辿る。
地域の歴史、交通網の栄枯盛衰なども含めて、なかなかオモシロそうでしたけれど、私はそこまで手を出せず。(^^ゞ
ともあれ、そういう趣味の世界もあるってことを知ったのでした。(笑)

ご案内の小説、とってもオモシロそうな雰囲気が伝わってきます。
機会があれば手にとってみたいです。(^ァ^)

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