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1Q84/BOOK3 村上春樹@二次元愛を理解している小説、日本から誕生!

2010-04-25 | 18:15

読了しました。
非常に楽しく読ませて戴きました。
あえて欠点を挙げれば、
1)リトル・ピープルの謎はもっと深く掘り下げて欲しかった。続編があればともかくこれで終わりだと少し期待はずれ。
2)珠玉の文章だったけれど、著者本人が、巧さに酔っている気もした。芸に自己陶酔は禁物ですが、これだけの文章を書ける人はいないので良しとしますが。
3)前後するエピソードの時間枠をこれほど丁寧に説明する必要はなかったと思う。読んでいれば充分に分かる。その程度の敷居は上げた方が格が上がった。
という辺りでしょうか。

後は素晴らしかったですね。
素晴らしかった点は
1)NHKの集金人は非常に怖かった。1線級のホラー小説ばりでした。
2)タマルさんの活躍と行動は、1流のハードボイルド小説のよう。スピンアウトでタマルさんを主人公にしたハードボイルド小説が読みたくなるレベル。
3)見目麗しく成功した(でも俗物そのものの)親兄弟に向ける、異形で孤独な牛河さん視線と論説は、私小説の秀作を5pで読了した気分。
という点ですね。
これが一つにパッケージされているのですから、並大抵の業ではありません。

そして特筆したいのは、村上さん、二次元愛が分かっている、ということです。
前作が出版されたとき、ふかえり=綾波レイ、長門有希説が語られましたが、無表情な語り口をすれば綾波レイになれるわけではありません。
ふかえりは胸が大きいという設定でまずダメ。(胸の大きさは、深田恭子?)
二次元愛の本質は性を超えた場所にあるのです。

でも今回、牛河さんが、ふかえりを見て感じる
「少女が身にまとっている超然とした透明さは・・・夕暮れのある瞬間、神秘的な色合いを持つ光が、人の心中に特殊な記憶を呼び起こすのと同じように」
この感慨は綾波レイへの感情に非常に近い。

そして
「まるで珍しい異国の蝶を眺めているみたいだ。ただ見ているぶんにはいい。しかし手を出してはならない。手を触れたとたんにそれは生命を失い、本来の鮮やかさをなくしてしまう。異国の夢を見ることをやめてしまう。」
これですね。
二次元少女は、視線から記憶の迷宮へと至る道にだけ佇む存在なのです。

その他、彼の小説の登場人物は、みな生きる上ではフリーランチはなく、リスクは避け難く、対抗するには強い覚悟と、時には達観すら必要であることが分かっています。
個人的には、そういう処も非常に好きです。
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Theme : 読書ノウト
Genre : 本・雑誌

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