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ブラック・スワン上ナシーム・ニコラス・タレブ@ベキ分布の話を超えた、未知の未知への洞察

2011-10-25 | 23:26

非常な話題となり、この手の本としては異例の売上を記録しましたが、私の見る目は冷ややかでした。
不確実性の問題って、経済物理学の発見したベキ分布のことでしょう。
世界は線形でなく、破断によって激変する。
その確率分散は、正規分布(ベル型カーブ、ガウス分布)に沿わず、極端なロングテールが出現する、ということなら、もう新鮮な話題とは思えませんでしたし、やたらと売れているのもオモシロくない(笑

ブラック・スワンなんて思わせぶりなこと言わなくても、知っているよ、と思っていたんですが、話題にする人もいなくなったので読んでみました。

結果、再読本認定です!
この本で語られていたのは、ベキ分布という観点を超えた、「未知の未知」についてでした!
この著者の類まれなる点は、読者に安易な解答を与えない処。
それでも読ませる力ですね。
話題の持って行き方と、語り口が絶妙で、読者はついていかざる得ない。
安易な解答を与えないのは、むしろ知識(=プラトン化:事象を消毒してしまうこと)こそが不確実性の温床となる、という主張なので、当然なんですが、実際に本を書いている身で実行できるのは、並大抵の力量じゃないよね。
学校秀才とデブのトニーの話を、インテリジェンスの本質論までに持っていった箇所は、著者の面目躍如でしょう。
それから論理の行き帰りの誤認ですね。
可能性がある、と示す証拠はない≠可能性はない、と示す証拠がある
です。
いつの間にか取り違えるよね。
人類はストーリーに弱く、後付けのheuristicに陥るのも本能、と断定されるといっそ清々しい。
そうか。
本能なら仕方ないな、と思わず、本能なんだから、常に自分も警戒し、誰か偉い人(=何も分かってない人)の解釈に納得しない。
楽をしないで頭を使う、考え抜くということですね。
そういうことが凄く良くわかる。

不確実性を本当に理解しているのは軍関係者だ、とか、カジノに関する驚くべき逸話は本当に興味深かったです。
でも下巻を読む前に、村上隆さんの本を読みます。
一変に読み切るのが惜しい。

ps
作家イェフゲニア・クラスノヴァについては、後にボルヘス的書評を書きたいと思います。

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