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すべての真夜中の恋人たち 川上未映子@このヒロインは、綾波レイとかびんちょうタンの好きな男性ならツボのはずだ

2012-02-18 | 23:41

Amazonレビューでは5つ星と1つ星が拮抗している作品ですが、私は高く評価します。
こういう小説を読むと、文学、未だ死せず。
なお豊かな水脈あり、と感じますね。
読んでいる間の切なさと美しさ。
読後、長く余韻の残る寂寥感。
まさに小説、文学という物以外では、表すことの出来ない世界だったでしょう。

ストーリーは半分壊れてしまっている三十路の女性が、地味な58歳の男性に恋をする、というそれだけの話です。

書店で手に取って、まず最初の1p目を読んで惹きこまれましたね。
なんと美しい文章だろうか、と、感じました。
そしてその感動は、終わりまで続きました。
真夜中の、と銘打たれているだけあって、深い場所に眠る夜の美しさが描かれているのですが、素晴らしい水準に達しています。
もう一人の女性との対比も効果的でした。


綾波レイで自覚し、最近はびんちょうタンで思い知ったのですが、どうも私は「可哀想な女の子」、という設定に
弱いようです。
この小説のヒロインは確かに三十路過ぎなんですが、繊細過ぎる感性と、純情過ぎる気持ちのありようが、私のツボ(笑

「わたしは泣きながら、頭のてっぺんに手を置いてみた。手のぬくもりはもう、どこにもなかった」って処で、綾波レイが、漫画版で碇くんに手を握ってもらうシーン、思い出しちゃった。
この二人の幸福は、手を握ってもらったことと、頭に手を置いてもらったことだけなんだよな、って思ったら泣いた(笑
綾波レイとか好き、って人は読んでみるとイイよ。

かつて、身分とか敵国とかで、社会に越えがたい枷があった時代に幾多の傑作悲恋物語が語られたでしょう。
今はダメだよね。
自分の欲望は、国のありようより優先されるって時代だからさ。

こういう枷なき時代に、もし恋を描こうとするなら、どこか大きく欠落した者を対象にするしかないんじゃないかな、と感じますね。
欠落した者こそ、相手を強く求めるし、結果、得られないこともあるでしょう。

でも本当は、人って誰でも欠落者なんだよね。
だからこそ真に美しいモノは、夢か狂気か郷愁の中でしか得られない。
そこにある、と思い手を伸ばせど、届いたと思った時は、崩れ去るというね。
現実と夢の絶対に越えがたい落差、というかさ。
ま、そんなことまで感じさせる1冊でしたよ。

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Theme : 恋愛小説
Genre : 小説・文学

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