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シャンタラム上 グレゴリー・デイヴィッド・ロバーツ@これは太陽を砕き、その破片で描かれた小説

2012-03-09 | 21:03

出版社も商売なんで、本が売れないのは困る。
特に昨今の不況は厳しく、活字離れも甚だしいとか。
だから宣伝文句には始終、傑作、という文字が踊ることになる。
言う間でもなく、いちいち本気にしてはならない。
でも稀に、本当に凄い、とてつもない作品が出てくる。
それも幾多の凡庸な作品と同じく「これぞ傑作」と呼ばれるのだが、真の姿はまるで違っている。
これは太陽を砕いた破片で、白熱した目も眩むような光で描かれた一編だ。

話は、脱走したオーストラリア人の武装強盗犯が、ボンペイのスラムに潜む処から始まる。
どっかで聞いたような凡庸な設定だって?
おっしゃる通りだ。
オーストラリア人の武装強盗犯に興味はないって?
私もなかった。
インドのスラムも興味の対象外?
私も同じく。
それでもなおかつこの小説をひとたび読みだせば、貴方は圧倒的なドライブに誘い出される。
文章は燃えたぎり、ストーリーの飛んでいく先は、まったく予断を許さない。
次々に惜しげもなく繰り出されるエピソードは、シェヘラザードもかくや、という多彩さだ。
「愛について、運命について、自分たちが決める選択について、私は長い時間をかけ、世界の大半を見て、今自分が知っていることを学んだ。」
という一文から始まる上巻は
「人はときにただ希望だけを頼りに愛することがある。涙以外のすべてを振り絞って泣くことがある。つまるところ、愛とその義務、悲しみとその真実、それがこの世のすべてなのだから。つまるところ、人に与えられたもので、夜明けまですがりつけるのはそれだけなのだから。」
という文章で終わる。
どうだろうか?
興味がわいたら是非ご一読。
たぶん後悔はしない。
上巻を読み終えた今の気持ちは、
「いやー、小説ってホントウにオモシロイですね。
さよなら、さよなら、さよなら、」
と映画への愛を語っていた淀川さんの気持ちが、小説バージョンで納得、という感じ。
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Theme : 書評
Genre : 小説・文学

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