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夜は満ちる 小池真理子@高い美意識と残酷な視線に満ちた怪談集

2012-07-06 | 23:02

直木賞を獲った「恋」以降、エロスと恋愛路線を突っ走る小池真理子さんですが、その前は手練れのサイコ・ホラー作家だったこと、覚えておいでの方、いらっしゃるでしょうか。

私は大好きで、あの当時、ブログがあったなら、作品が出るたび、絶賛記事を書きまくっていただろうなあ、と思うのです。
小池真理子の恋愛、エロス物は正直ダメでね。
ホラー系統を書かなくなってから距離を置いていたのですが、本屋を渉猟していたら、久々に怪談短編集を発見、購入です。

読んでみると、この人、あいかわらず、ともかく巧い!
文章、描写に気品があり、人物造形の魅力的なこと、比類のない作家のひとりだと思います。
たとえば冒頭の作品「やまざくら」のまや、ですね。
ほんの数行の会話で、たまらないほどの魅力を出している。
そして男の方の厭らしさ。
ああ、こういう男、いるだろう・・・という、唸るほどの描写が続く。
さらには、こういう男に惹かれてしまう女性という性の、厭らしさがまた巧い。
そうして厭らしく厭らしく小説は進むのですが、読んでいて嫌にならないのは、基調となる美意識がともかく高いんだ。
いやさしさと美意識というのは、相反する要素のようでいて、手練れが描くと混淆の美が生まれるんですよね。
小池真理子にはつくづくとそう教わった。

収められている7編は、いわゆる幽霊怪談集なんですが、単に、こんなオチなら怖いでしょ、というのを超えて、男と女のそれぞれのどうしようもない性がもつれあっては堕ちていく行く悲劇の深さが読みどころの1冊でした。

私が小池真理子さんとお会いすること、一生ないと思いますが、万が一、そんな機会があっても、この人の前には立ちたくないな。
私を見て、どんな厭らしさを書かれるかと思うと恐ろし過ぎる(笑
単なる低能な悪口なら、笑って済ませられるのですが、この人の視線は怖い。
ま、実際は、私など凡庸過ぎて、視界に入らず、だとは思いますけど。
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Theme : ホラー
Genre : 小説・文学

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