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この腕がつきるまで 打撃投手、もう一人のエースたちの物語 澤宮優@大人のプライドとはどこにあるのか?

2012-10-24 | 16:39

打撃投手について書かれたドキュメンタリーですが、読めば様々な示唆に富んだ内容で、良書である、と感じました。
ただ最初の方が読みにくい。
本にとって、取っ掛かりは大切なので、少し気になりました。
原因は、文庫版でも316pに過ぎない量にもかかわらず、打撃投手一人一人に当たるだけでなく、打撃投手誕生の歴史から記そうとした野心の大きさにあるのでしょう。
ちょっと筆が足りなかったと感じました。

それ以外、甲子園の怪物だった男たち、ドラフト1位だった男たちの章はすんなり入れて、涙と汗の人生が伝わってきて心動かされるものでしたね。
彼らは華やかな舞台であるプロ野球界に入って来て、挫折した後、投手としての本能(打者を打ち取る)の逆(打者に気持ち良く打たせる)をやらないか、と提案される運命にあったのです。

腕の振りは小さく、球離れは早く。
打者に向かって投げる、ということでは同じでも真逆の要素が要求される別世界。
でもそれに徹することが出来ないなら、打撃投手としての評価が待っているのです。
この本に描かれる男たちは、その壁を乗り越えるのですが、その過程で明らかになるのは、単なるプライドを超えた真の誇り、でしょうか。
頂点で光を浴びる存在を目指していながら、下からの支える役となるのは、誰だって本意とは言えないでしょう。
ましてや少年時代から、褒めそやされていた得意中の得意である野球でです。
でも彼らは葛藤しながら乗り越えた。
そこにはやはり感動させられるドラマがありました。
その後の人生で成功している方たちが多いのですが、無関係ではないでしょう。

この本でもう一つ印象的だったのは名前を残したバッターたちの汗と努力と苦しみですね。
長嶋なんて、一見、能天気で明るく楽しく、感覚で打っていた天才バッターという印象、持つ方多いと思いますが、なんのなんの。
人に見せない場所でもがく姿から、色々な細かい気遣い、さらには不安がること、小心なこと、客に対するアピールと責任感など、頂点にいるっていうのは、けだし、剣の下に身を置くというか、針の山に立ち続ける覚悟というか傍から見ているような華美一辺倒の世界ではない。

まあ、ここまで極端ではないにしろ、結局仕事というのは成果を問われるものであり、それは頂点で光を浴びる人から、下で支える人まで同じなのだ、と。
大人の世界は覚悟の世界であるのである、ということですね。


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Theme : 野球全般
Genre : スポーツ

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