スポンサーサイト

-------- | --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

アカシアの通る道@渾身のリアリズムが教える人が必要とするモノとは

2013-06-07 | 22:06

カンヌでカメラドール賞を受賞した作品ですが、内容は極めて地味で、一人のトラックドライバーが、赤子を連れたシングルマザーをパラグアイからブエノスアイレスまで送るだけのストーリーです。

登場人物はほぼその二人と赤ん坊一人だけ。
中年のドライバーと、シングルマザー役の女性は、どっからどう見ても映画スター、という雰囲気ゼロで、乗っているトラックは古臭く、映し出される周囲の道も南米の貧困が滲み出ていて、セリフにも唸るような言葉はなく、事件も何も起こらない。

それでもこの映画は魅せます。
特筆すべきはそのリアリティで、観ていると、やっぱり南米の貧困は酷いな、とか、こういう境遇で鍛えられる忍耐力は筋金入りだろうな、とか、いつの間にか映画だという事を忘れて本気になって観てしまっている。
映画というよりドキュメンタリーを見た気になっている自分に気づきいさめるのですが、また観ているうちに、大変なんだろうな、とか、大丈夫かな、なんて思わされている(笑
この映画も持つ現実感(reality)、半端じゃないです。
カンヌは良い受賞者作品を得ましたね。
こういう作品を取り上げ続ければこそ、カンヌの格も上がろうというモノです。

そしてストーリーが進むにつれしみじみと伝わってくるのは、人が本当に求めているモノとは何か、ということ。
この映画は一切、声高に訴えることがないのですが、暖かな湧水に触れるが如く、思うのは、「人は人と繋がりたいのだな」という気持ちです。
私は、というか、ある種の男性にはその傾向、あると思うのですが、孤独癖ってあるでしょう。
俺は別に一人でもイイよ、みたいな感じ。
でもこの映画でドライバー役をやったヘルマン・デ・シルバさんが教える処に寄れば、やっぱり誰かといられたら、ということだよね。

赤ん坊が非常に可愛いんですが、いわゆるCMに出て来るような赤ん坊の可愛さじゃないんだ。
この辺も実にさりげないけど巧い。
その赤ん坊が繋ぐ二人の大人の心の架け橋。
最後の最後まで、映画が終わった後後まで鑑賞者の気持ちにぬくもりが残る、けだし名品と言える一編でした。

スポンサーサイト

Theme : WOWOW/スカパーで観た映画の感想
Genre : 映画

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。