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栄光のル・マン@マックィーンは本当にレースが好きだったんだな

2013-08-31 | 23:15

十代の頃、勉強よりもあらゆる文化に精通しようと決意したのですが、いざ試みると、その範囲は膨大でした。
そんな中でも苦手分野だったのが、カーレースの世界。
欧米では立派な文化である、という事なんですが、正直、けたたましく改造したクルマを同じ場所でグルグル走らせることのどこが文化なのか分からない。
バカなんじゃないのか?
この映画は、私の上の世代の、いわゆるカッコイイ若者たちに非常な人気をはくしたのですが、遅れて観た私にはまったく理解出来ないモノだった。
ただレースカーがバーバー走っているだけで、人間が描けていないな、という、なんだか底の浅いドキュメンタリー紛いという感想でしたね。

それから幾星霜。
クルマやバイクにまったく興味がわかないまま、免許位は大人の常識と取りに行き、退屈しながら教習しつつ、高速教習1回で火が付いてしまった速度への喜び。
突然、クルマやバイクが好きになり、スピードの快楽を求めて走り出すのですが、そうした経験を経て観るとこの映画、実に心に迫ってくる。

冒頭の911が走ってくる場面から、スピードの限界に挑むということの、孤独と詩情にあふれているのが感じられる。
この映画において人間が描けていない、なんてのは当たり前の話であって、これはひたすらレーシングカーの、レーシングカーによる、レーシングカーの為の映画だったのでした。
圧倒的な貫禄を誇るサーキットの覇王ポルシェ917に対し、イタリアの誇りを掛けて挑むフェラーリ512S。
宝石という名がふさわしいレーシング・フェラーリが、傷を負い黒く煤けても競うことを止めないその姿にやどる気高さ。
アクシデントにもアクセルを緩めない勇気と、アクセルを緩めさせない、曰く言い難いモノの存在。

プロダクションまで立ち上げて、ル・マンに実際にエントリーし、自らの917Kを始め20台以上のマシーンを使って撮影されたこの映画を、冷静に評価するなら、やはり稀代の奇作と言わざる得ないのかもしれない。
しかし自らが1流のレーサーだったスティーヴ・マックィーンにとっては、たとえ商業的に大失敗に終わろうと、これは造らなくてはならない1品だったのだ。
人は時に曰く言い難いモノに憑かれて、その行動は理性(計算、算盤ずく)を超える。
だからこそそこに文化が生まれるのだ。
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Theme : 洋画
Genre : 映画

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