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謎の独立国家ソマリランド 高野秀行@笑える上に深い示唆にも富んでいる

2013-12-30 | 22:29

この本の唯一の欠点は、「地上のラピュタ、ソマリランドに行こう」という著者の売り出し文句だったろう。

ラピュタはけっこうだが、ブラックホーク・ダウンやら最近では海賊による拉致監禁の身代金騒ぎやらで印象付けられているソマリアとは徹底的に合わない。
松坂牛と大トロのハンバーガーってあんまり食べたくないでしょう。
だから最初の原稿(この本の序盤部分)も、最高に面白かったのに売れなかったんじゃないかな。
しかし万事は塞翁が馬で、売れなかった結果、後続の取材が敢行され、この本は単なる究極の旅行記から、ワンランク、ステージを上げた一冊となった。
だから書店で見つくろった時は、その厚さに躊躇しないこと。
この長大な本に無駄な処はなく、多方面に考察される示唆は深く勉強にもなる。

あの人がまともに生きていかれるとは思えない(映画)ブラックホーク・ダウンのモガディシュの国に行った(最初に行ったのはそこじゃないけど、元同じ国、日本で言えば東京がモガディシュなら、ソマリランドは秋田辺りか)に行ったということだけでも、その意気や壮でしょう。
そんな処に行けるのか?
果たして行ってどうだったのかは読んでみてのお楽しみ。
著者に降りかかる多彩な災難に、ただ目を見張り、あきれ返っているウチに、最後は笑いだすことは請け合いだ。
そして単なる「もう大変なんですから」、というドタバタ道中記の壁を破っているのが、ソマリランドが平和を確立出来た理由への考察だ。
紛争地域なら国連という流れだろうが、この本を読んでいると、国連の論理というのが、いかに的外れなのか分かる気がする。
銃弾飛び交う究極の現実と、上から目線で押し付ける理想論なんて一致しっこないんだよな。
曰く、戦乱慣れしていたから平和になった。
民族の伝統を壊さなかったから和平がなった。
貧しいから平和になったなんて辺りの考察は、今後、参考にすること、大なのではあるまいか。

描きだされるソマリ人の国民性も、また興味深い。
日本人とのなんという違いか、という事なのだが、それ全て風土の違いなんだろうか。
この辺り、人間という生き物の不可思議さと普遍性。
ああ、なるほど、かような環境では人はこうなるのか、と納得すると同時に、著者の交流術には驚かされるばかりであって、感心しているウチに調子に乗った著者は、あのモガディシュにも行ってしまう。
おいおい、平和という評判?のソマリランドならともかく、リアル北斗の拳、戦国モガディショなんかにリアルで行って、命は一つなんだぜ、と危ぶんでいると、そこに現れる真に驚くべき光景とは!
いやー、つくづくその場所って、行ってみないと分からないんだな、と。
先入観って大外れってあるのね、と。
どんな事でも最大の敵は、知りもしないで分かったような気になることですね。
という訳で、この著者の本は、他も読んでみようと思う位気に入ったのでした。

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Theme : ノンフィクション
Genre : 本・雑誌

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