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夜明け前:第二部下巻 島崎藤村@たゆたうような大河は滝となって落ちた

2014-09-17 | 22:21

島崎藤村、夜明け前、ついに全巻読了しました。
近代日本文学の巨峰を制して、少しだけイイ気分です。

今回の記事は内容に触れてます。
以下、目に入らないよう緩衝帯として青空文庫おススメ文章を書きましたから、知りたくない人はこれ以降、読まないように。

この小説が極めて優れた一冊であることは言う間でもないのですが、まずみなさまにおススメしたいのは、青空文庫のアプリをインストールしましょう、ということです。
世界中探しても、無料でこれほど優れたコンテンツを提供していくれるソフトは他にないでしょう。
青空文庫の素晴らしい処は、隙間時間に読めることで、それこそトレイから、電車の中まで。
ちょっとした待ち時間にページを開いて読み進められる。
世界の超一流の文学をです(文学というととっつき難いかもしれんが、無料だし)
これはスゴイことだと思うんだ。
だまされた思って是非一度。
慣れてない方は梶井基次郎あたりがおススメ!

さて前置きが長くなりましたが、この歴史を俯瞰する、たゆたう大河を思わせる長編文学は、第二部下巻
になって思いも掛けぬ激流となります。
最初の驚きは娘の自害未遂ですね。
いやー、ただのマリッジブルーだと思っていたからあの顛末には驚きました。
この小説って基本、巨大な歴史のうねりの中に生きる人々を描くゆったり系であって、いわゆる修羅場系ではない、という認識だったからね。
意表を突かれました。
今、太宰治@斜陽を読んでいるんだけど、やっぱり女性は難しいですね。

そして本題。
半蔵の乱心です。
コッチも驚かされた。
ただ非難する声が聴こえる、ときた辺りから、あれ、っとは思いましたけどね。
影を見たりした処では、すでに整合性がなかったので、覚悟していましたが、楠木正成の戦法を取り出した時(読めば分かります)は、ここまで来たか、という暗澹たる気持ちですよね。
結局、この大河小説で訴えたいことってなんだったんでしょうか?
革命とは、常に善人ほど裏切られるモノである、なんて感想は凡庸を通り過ぎて滑稽ですね。

結局、父親と姉がモデルだったこともあり、その他諸々、随分と複雑な事情があったようで、書きたいという衝動が書かせた、ということなんでしょうね。我々が忘れてならないのは、明治の、日本近代文学の巨匠の、あの写真がもたらすイメージとの差異でしょう。
文学や芸術とは常に深遠と向き合うが故に、危険なモノだってことは忘れてはならない。
すぐに規制だなんだと騒ぎたがる識者って、結局、本なんて読んでないんだろうな。
島崎も川端も泉鏡花も谷崎も太宰もみんないわゆるオカシナ人、だよね。

ps
最後まで印象に残ったのは、木曽山中の自然描写の美しさですね。
さりげなく力みのなりタッチで描かれる抒情は、一流中の超一流だけがもつ本物の美しさがありました。
島崎藤村、恐るべし。
さらっと描くデッサンも絶品。
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