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斜陽 太宰治 @NEETとの差は美意識だけ

2014-09-26 | 21:49

自営業なんで延々と働いている。
休日も夜間も、止める気になれば止められるのだが、どうしても働くか、仕事の勉強や工夫、研究をしているかだ。
心から遊ぶということが出来ない。
でも仕事が好きなわけではない。
むしろ今すぐ辞められるモノなら止めたいのだが、出来ないのだ。

NEETが羨ましい。
なんと言っても働かないでいられるのは究極の贅沢だ。
ただ真似をしたいとは思えないのは、彼らの姿が美しいとは思えないから。

この小説で描かれるのは、生きる為の生命力をとことん失った没落華族たち。
今どきのニートを豊かな社会が生み出した甘えの一団と決めつける識者がいるが、まったく無知なのが分かる。
日の下に新たなモノなしという定説通り、太宰治の描きだす彼らのダメっぷりは、今どきのニートの比ではない。
それでも読んで惹きこまれるのは、美意識があるからだ。

美意識とは感性を元にした一種の覚悟。
美しくある。そうなろうと決めた意識である。
美しくあろうという意識があれば即、美しくなれるモノではないが、美しくあろうという意識すらないなら美しなれることもないだろう。
この小説では、「生活力のない人間であるのは間違いないが、常に美しくあろうという意識だけはある人々」を、太宰治が練達の文章で描きだす。

それは天才だけが描ける境地で、読者はしばしば陶然とさせられる。
ひときわ印象的なのは、太宰治の文体が持つ魔術的な魅惑だ。
たとえば三島の文章なら、一読、その壮麗さ、絢爛さに瞠目するのだが、太宰のそれは一見、なんの変哲もなく、スラスラと清流のように流れるだけなのに、流れる抒情は夢幻の中の霧のように深い。

青空文庫で無料で読める。
アンドロギュノスの裔を読了し、今度は津軽を読み出した。
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