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津軽  太宰治@ラストのたけの描写には唸らざる得ない

2014-10-18 | 21:24

斜陽を読んで、改めて凄い作家だと認識を新たにして、今、安吾と太宰がマイブームです。
堕落論、桜の森の満開の下、などを読了していますが、今回の記事はこの津軽

題名通り太宰が自分の出身地、津軽地方を旅しながら、場所場所ごとに友人たちと歓談するという展開で話が進むのですが、練達のまさに津軽の雪解け水を飲むような、さらさらとした喉ごしで腑に落ちていく文章から展開される津軽地方の自然と人間の描写は秀逸ですが、どうもなと思わせるのが、津軽地方の歴史的経緯を説明する為に挟まれる古文書は読みにくい。
文学的な価値も効果もあるとは感じられない。
ま、太宰の中では中堅作品だからこんなモノかなと思いながら行きつくラスト。

あのたけという女性の描写には唸らざる得ない。
巨匠と言われる画家の肖像画も恐ろしいものですが、文豪の人物造形力も恐ろしい水準です。
およそ小説という表現形式で、沈黙の中に人の姿をありありと生き生きと描きだせる技がこの世に存在するとは思わなかったよ。
結局、津軽というのは、つまる処たけだったのではないか?
たけは津軽の化身である、というのが、太宰自身すら意図してなかった結末だったのではないだろうか?
あの朴訥、言葉の少なさ、粗野と紙一重の高貴に息づく北の野生。
素晴らしく胸に迫るシーンでした。

なんだかすっかり青空文庫ばかり読んでいて最近小説、買ってない。
でも読んでみるとスゲエんだよな。
桜の森の満開の下なんて、極限のホラー小説はもうこの時点で書かれていたんじゃん、というそら恐ろしさ。
現代の作家は、こんな怪物連中と競って小説買わせないとならないんだから、大変だわさ。

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