反撥

2006-10-27 | 00:03

ドヌーブ&ロマン・ポランスキーの著名なる1本です。
単調なパーカッションにのって、クローズアップされたドヌーブの眼にクレジットが流れる冒頭は、
眼球とドヌーブということもあり、どこかブニュエルを思わせるで出だしでした。

フランス女性の、というより世界の美女の代名詞として君臨したドヌーブは、この映画では虚ろな眼をした惨めな狂女を演じます。

本来魅力の原点だったはずのブロンドは、モノクロ画面の中でやたらと白く光り、時にザンバラに乱れ、なんだかガラス繊維か極細のワイヤーのカツラを被っているようです。
そしてそれは彼女の過剰な自意識の変異であるが故に、手を触れてくる者すべてに突き刺さり血を吹き出させ、折れては相手の中に残り何時までも炎症を長引かせるようにも思います。

貧相な肩を抱き、よろめくように歩く虚無と、荒くれ男への幻想のエロティシズムの両立は驚異でした。
なるほど彼女は美貌と妖気の両方を持った大女優だったんですね。

映画はラスト、壁から無数に突き出てくる手の群れが、あのロメロを20年以上も先行していたという驚きと共に終わります。

映画の歴史を知る意味でも、見といて良い1本だと思います。

Theme : 色あせない名作
Genre : 映画

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