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最後の一壜    スタンリイ・エリン

2006-04-23 | 16:25

短編の名手、エリンがじっくりと書き込んだミステリー短編集。
30-40年も前の作品集なので今のミステリーを読みなれた読者ですと、スピード感など物足りない印象を受けるかもしれませんが、じっくり読むには味わいも深く悪いものではありませんでした。

表題がこの中の一作品である「最後の一壜」から取られています。
出版社としては芳醇なビンテージ・ワインと、この作品集のイメージを掛けたかったのでしょうが、実はこの一編は期待ほどでもありませんでした。

もともとこの短編集の原題は、最初の短編「「エゼキエレ・コーエンの犯罪:The Crime of Ezechiele Coen and Other Stories」です。
確かにコッチの方が出来はイイかな。
題名としては「最後の一壜」の方がイメージが膨らみますけどね。

15編収められているのですが、その中で忘れがたい印象を残すのが「画商の女」
人の憎しみの悪魔的な狂気が見事に表現され、最後の1行を読み終えた時は戦慄しました。

後は「贋金づくり」の軽妙さと「世代の断絶」の皮肉が良かった。
あらゆるミステリー短編の中でも高水準だと思います。
「不可解な理由」などは30年も前の作品でありながら、つい最近のニュースを思わせる出来事を扱っておりエリンに先見の妙があったのか、世界がエリンの狂気に向かって進んでいるのかわからない処に凄みがありましたね。

暖炉の脇でロッキング・チェアでも揺らしながら、静かにシングル・モルトのウイスキーあたりを飲みながらゆっくり1編ずつ読むのが似合う作品集ですかね。
私は酒を飲まないので本だけ読みましたが、そんな印象を受けました。
となると、ハヤカワ・ミステリ編集部のセンスはやっぱり良かったってことですね(笑

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Theme : 推理小説・ミステリー
Genre : 本・雑誌

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