ヘッジホッグ  バートン・ビッグス

2007-07-02 | 23:55

御年70歳にして、まだ自らのファンドで、切った張ったを繰り返す著者が、長年に渡って出会った自分の周囲の業界人、金融市場の勝負師達の生態、生業を描いた1冊です。

「私は読むことに関してはグルメなのだ。そして終始、何かを読んでいる」
というだけあって、洒脱で若々しく、乾いたアイロニーの効いた文章は、とても70歳とは思えません。
勢いのまま異様な人間模様と業界事情を、ブッチャけて書いていても読ませます。
これは訳も良いのでしょうが、トレーダーという極めて実践的な職業をやってきたせいでもあるのかもしれません。
気取っていたって、1銭にもならないものね。
この文体の背景には、そんな気質があるような気もします

モルガン・スタンレーのリサーチ部門を立ち上げ、30年に渡って君臨し、自らのヘッジ・ファンドも成功させて、功成り名を遂げた著者ですが、書いてあることのほとんどは、自らのマヌケな失敗談と、胃潰瘍に偏頭痛を患うような気苦労の話。

20章の「ウォール街 世にも不思議な物語」は、奇妙な味の短編として読んでも不足のない出来ですし、ケインズについて記された最終章は、偉大なる経済学者であり、投機家でもあり、抜群の知性と魅力の持ち主だった先達を最高度に尊敬しつつ、性的傾向(ホモセクシャルと傲慢さ)も率直に書いていて新鮮です。

印象的な言葉と私の実感
「大きい賭けに出るのは、指標が極端な水準に行き着くまで待つべきだ。我慢は投資の美徳だ。
しかし実践するのは極めて難しい@B・ビッグス」

「投資においては、見送りでストライクは取られない。相手は投げ続けないとならないのだ。
6ヶ月、バットを振らないかもしれない。それが2年になるかもしれない。しかし場外ホームランをかっ飛ばせる可能性は、甘い球が来たときの方がずっと大きい。辛抱したほうがいいですよ@バフェット」

この二つの言葉は、シミジミと実感する反面、やってるうちに波を掴むということもあるんで、やっぱり絶対ではないんだよな。
そもそも聖杯(絶対的なルール)がないのが投機だからさ。

ps
日本の金融市場について語られる文も散見されるのですが、どうも評価がカンに触るのだが・・・俺が気にしすぎかね。

Theme : 理解を深めながら資金を増やそう
Genre : 株式・投資・マネー

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