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容疑者Xの献身   東野圭吾

2006-04-26 | 16:01

傑作です。
一気に読み切りました。
私はこの小説の犯人、石神哲哉に極めて強い親しみと共感を憶えました。
石神哲哉は天才的な数学者でありながら不遇をかこう生活を送る中、隣室へ越してきた母娘に心惹かれます。
そしてつきまとう前夫を殺してしまった母娘の犯罪を完全に消し去る決心をします。
それに立ちふさがるのは天才物理学者、湯川学(湯川秀樹へのオマージュでしょう)
隠された殺人事件をめぐる2人の頭脳戦の行方は?
そして石神の献身的な愛は・・・?

私は子供の頃、数学者になりたかった。
小学校の時の計算ドリル、いつも1番速かったのです。
誰にも負けない。将来は世界1の数学者になりたい。
でもそんな夢は理系進学組みに入ってすぐ潰えます。
ずっと出来る奴はいくらでもいました。
自分は数学者などまったく程遠いのを自覚しました。

ただ今でも数学への憧れはやまずクダラナイ記事を書いています。
そして今だに知的探求以外には極めてストイックな数学者の生き方に憧れます。
何故数学者は他の快楽に関心がない人が多いのか?
それはそれだけ数学の世界は美しく知的探求の世界として快楽に満ちた世界だからです。
「羊たちの沈黙」で投獄されたDr.レクターは、牢獄を忘れる為に「美しき記憶の宮殿」を造りだします。
快楽的な芸術愛好家であるレクターらしい設定ですが、真の永遠と無限の迷宮は数学の中にしか存在しません。だから石神の決意がよく分かるのです。

そして数学者という人種が分かったつもりになっているから、この小説の粗が見えると思いました。
まず死体の出し方に疑問がありました。
これは細工が多すぎる。殺人自体を隠したかったら死体を出さないのが一番です。

さらに疑問は、花岡靖子への慕情です。
天才はその驚異的な集中力ゆえに数学に自足でき、その結果、恋愛への興味は薄いのです。
数学へ集中しきれない凡才のみが余計なことを考える。
では何故、石神はこれほど靖子を愛するのか?
その他、数学オタとしては、細かくツッコみたい場面が多々あります。

こうではない!
と思いながらそれでも面白さに惹かれて読み続け、ラスト。
私の疑問には、すべてそれを上回る回答が用意されていたのでした。

見事な見事なミステリーの金字塔です。
今年は「クライム・マシーン」といい、この作品といい、ミステリーは当たり年のようです。

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Theme : ミステリ
Genre : 小説・文学

Comment

>自分の読書速度の遅さに感心してしまいました。
私は読書が何よりの趣味ですが、読むスピードは相当に遅いと思います(笑
人生と一緒。
速ければ良いというものではい、と開きおなっております。


>最後の謎解きの場面など目まいをおぼえました。男が女を愛する気持ちの本質を感じたようにも思います。
謎解きには私も驚きました。
愛の思いも良かったです。見返りを求めない愛でした。

>この小説を読んでもう一度数学を勉強してみようかなと
それなら各論より小室直樹の「数学嫌いな人のための数学」をおススメします。

>・・・・どうやって時間を捻出するかが課題ですが(笑)。
スマさんは努力家ですよね。
英語の勉強を応援してますよ。

女性とほ出会いはどうなんだろう。
私はお見合いしまくりでした(笑

  • 2006-07-08 | 20:47 |
  • 晴薫 URL :
  • edit

どういうわけか、昨日から無性に「この小説を読まなければならない!」と感じ、2時間ほど前まで読みふけってました。
 久しぶりに小説など読んだのですが、自分の読書速度の遅さに感心してしまいました。

 しかし、すごい小説ですね。最後の謎解きの場面など目まいをおぼえました。男が女を愛する気持ちの本質を感じたようにも思います。

 上手くは言えないのですが、この小説を読んで私の人生観すら少し変化した気がします。

  話の本筋からは外れますが、この小説を読んでもう一度数学を勉強してみようかなと思いました。少しは論理的思考を身につけられるかなと思ったからです。長い間やってなかったチェスも。

・・・・どうやって時間を捻出するかが課題ですが(笑)。今の私の生活自体やることがたくさんあるので。 そうやっていくと、またドンドン恋愛とか人付き合いから離れていってしまうのでしょうね。私は一生を独身で過ごすかもしれません。まあ、それもいいかな・・・。

 では、また。

  • 2006-07-08 | 19:58 |
  • スマ URL :
  • edit

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